出エジプト記34-35 ; マタイ22:23-46

出エジプト記

第34章

34:1主はモーセに言われた、「あなたは前のような石の板二枚を、切って造りなさい。わたしはあなたが砕いた初めの板にあった言葉を、その板に書くであろう。34:2あなたは朝までに備えをし、朝のうちにシナイ山に登って、山の頂でわたしの前に立ちなさい。34:3だれもあなたと共に登ってはならない。また、だれも山の中にいてはならない。また山の前で羊や牛を飼っていてはならない」。34:4そこでモーセは前のような石の板二枚を、切って造り、朝早く起きて、主が彼に命じられたようにシナイ山に登った。彼はその手に石の板二枚をとった。34:5ときに主は雲の中にあって下り、彼と共にそこに立って主の名を宣べられた。34:6主は彼の前を過ぎて宣べられた。「主、主、あわれみあり、恵みあり、怒ることおそく、いつくしみと、まこととの豊かなる神、34:7いつくしみを千代までも施し、悪と、とがと、罪とをゆるす者、しかし、罰すべき者をば決してゆるさず、父の罪を子に報い、子の子に報いて、三、四代におよぼす者」。34:8モーセは急ぎ地に伏して拝し、34:9そして言った、「ああ主よ、わたしがもし、あなたの前に恵みを得ますならば、かたくなな民ですけれども、どうか主がわたしたちのうちにあって一緒に行ってください。そしてわたしたちの悪と罪とをゆるし、わたしたちをあなたのものとしてください」。
34:10主は言われた、「見よ、わたしは契約を結ぶ。わたしは地のいずこにも、いかなる民のうちにも、いまだ行われたことのない不思議を、あなたのすべての民の前に行うであろう。あなたが共に住む民はみな、主のわざを見るであろう。わたしがあなたのためになそうとすることは、恐るべきものだからである。
34:11わたしが、きょう、あなたに命じることを守りなさい。見よ、わたしはアモリびと、カナンびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを、あなたの前から追い払うであろう。34:12あなたが行く国に住んでいる者と、契約を結ばないように、気をつけなければならない。おそらく彼らはあなたのうちにあって、わなとなるであろう。34:13むしろあなたがたは、彼らの祭壇を倒し、石の柱を砕き、アシラ像を切り倒さなければならない。34:14あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。34:15おそらくあなたはその国に住む者と契約を結び、彼らの神々を慕って姦淫を行い、その神々に犠牲をささげ、招かれて彼らの犠牲を食べ、34:16またその娘たちを、あなたのむすこたちにめとり、その娘たちが自分たちの神々を慕って姦淫を行い、また、あなたのむすこたちをして、彼らの神々を慕わせ、姦淫を行わせるに至るであろう。
34:17あなたは自分のために鋳物の神々を造ってはならない。
34:18あなたは種入れぬパンの祭を守らなければならない。すなわち、わたしがあなたに命じたように、アビブの月の定めの時に、七日のあいだ、種入れぬパンを食べなければならない。あなたがアビブの月にエジプトを出たからである。34:19すべて初めに生れる者は、わたしのものである。すべてあなたの家畜のういごの雄は、牛も羊もそうである。34:20ただし、ろばのういごは小羊であがなわなければならない。もしあがなわないならば、その首を折らなければならない。あなたのむすこのうちのういごは、みなあがなわなければならない。むなし手でわたしの前に出てはならない。
34:21あなたは六日のあいだ働き、七日目には休まなければならない。耕し時にも、刈入れ時にも休まなければならない。34:22あなたは七週の祭、すなわち小麦刈りの初穂の祭を行わなければならない。また年の終りに取り入れの祭を行わなければならない。34:23年に三度、男子はみな主なる神、イスラエルの神の前に出なければならない。34:24わたしは国々の民をあなたの前から追い払って、あなたの境を広くするであろう。あなたが年に三度のぼって、あなたの神、主の前に出る時には、だれもあなたの国を侵すことはないであろう。
34:25あなたは犠牲の血を、種を入れたパンと共に供えてはならない。また過越の祭の犠牲を、翌朝まで残して置いてはならない。34:26あなたの土地の初穂の最も良いものを、あなたの神、主の家に携えてこなければならない。あなたは子やぎをその母の乳で煮てはならない」。34:27また主はモーセに言われた、「これらの言葉を書きしるしなさい。わたしはこれらの言葉に基いて、あなたおよびイスラエルと契約を結んだからである」。34:28モーセは主と共に、四十日四十夜、そこにいたが、パンも食べず、水も飲まなかった。そして彼は契約の言葉、十誡を板の上に書いた。
34:29モーセはそのあかしの板二枚を手にして、シナイ山から下ったが、その山を下ったとき、モーセは、さきに主と語ったゆえに、顔の皮が光を放っているのを知らなかった。34:30アロンとイスラエルの人々とがみな、モーセを見ると、彼の顔の皮が光を放っていたので、彼らは恐れてこれに近づかなかった。34:31モーセは彼らを呼んだ。アロンと会衆のかしらたちとがみな、モーセのもとに帰ってきたので、モーセは彼らと語った。34:32その後、イスラエルの人々がみな近よったので、モーセは主がシナイ山で彼に語られたことを、ことごとく彼らにさとした。34:33モーセは彼らと語り終えた時、顔おおいを顔に当てた。34:34しかしモーセは主の前に行って主と語る時は、出るまで顔おおいを取り除いていた。そして出て来ると、その命じられた事をイスラエルの人人に告げた。34:35イスラエルの人々はモーセの顔を見ると、モーセの顔の皮が光を放っていた。モーセは行って主と語るまで、また顔おおいを顔に当てた。

第35章

35:1モーセはイスラエルの人々の全会衆を集めて言った、「これは主が行えと命じられた言葉である。35:2六日の間は仕事をしなさい。七日目はあなたがたの聖日で、主の全き休みの安息日であるから、この日に仕事をする者はだれでも殺されなければならない。35:3安息日にはあなたがたのすまいのどこでも火をたいてはならない」。
35:4モーセはイスラエルの人々の全会衆に言った、「これは主が命じられたことである。35:5あなたがたの持ち物のうちから、主にささげる物を取りなさい。すべて、心から喜んでする者は、主にささげる物を持ってきなさい。すなわち金、銀、青銅。35:6青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸、やぎの毛糸。35:7あかね染めの雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、35:8ともし油、注ぎ油と香ばしい薫香とのための香料、35:9縞めのう、エポデと胸当とにはめる宝石。
35:10すべてあなたがたのうち、心に知恵ある者はきて、主の命じられたものをみな造りなさい。35:11すなわち幕屋、その天幕と、そのおおい、その鉤と、その枠、その横木、その柱と、その座、35:12箱と、そのさお、贖罪所、隔ての垂幕、35:13机と、そのさお、およびそのもろもろの器、供えのパン、35:14また、ともしびのための燭台と、その器、ともしび皿と、ともし油、35:15香の祭壇と、そのさお、注ぎ油、香ばしい薫香、幕屋の入口のとばり、35:16燔祭の祭壇およびその青銅の網、そのさおと、そのもろもろの器、洗盤と、その台、35:17庭のあげばり、その柱とその座、庭の門のとばり、35:18幕屋の釘、庭の釘およびそのひも、35:19聖所における務のための編物の服、すなわち祭司の務をなすための祭司アロンの聖なる服およびその子たちの服」。
35:20イスラエルの人々の全会衆はモーセの前を去り、35:21すべて心に感じた者、すべて心から喜んでする者は、会見の幕屋の作業と、そのもろもろの奉仕と、聖なる服とのために、主にささげる物を携えてきた。35:22すなわち、すべて心から喜んでする男女は、鼻輪、耳輪、指輪、首飾り、およびすべての金の飾りを携えてきた。すべて金のささげ物を主にささげる者はそのようにした。35:23すべて青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸、やぎの毛糸、あかね染めの雄羊の皮、じゅごんの皮を持っている者は、それを携えてきた。35:24すべて銀、青銅のささげ物をささげることのできる者は、それを主にささげる物として携えてきた。また、すべて組立ての工事に用いるアカシヤ材を持っている者は、それを携えてきた。35:25また、すべて心に知恵ある女たちは、その手をもって紡ぎ、その紡いだ青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸を携えてきた。35:26すべて知恵があって、心に感じた女たちは、やぎの毛を紡いだ。35:27また、かしらたちは縞めのう、およびエポデと胸当にはめる宝石を携えてきた。35:28また、ともしびと、注ぎ油と、香ばしい薫香のための香料と、油とを携えてきた。35:29このようにイスラエルの人々は自発のささげ物を主に携えてきた。すなわち主がモーセによって、なせと命じられたすべての工作のために、物を携えてこようと、心から喜んでする男女はみな、そのようにした。
35:30モーセはイスラエルの人々に言った、「見よ、主はユダの部族に属するホルの子なるウリの子ベザレルを名ざして召し、35:31彼に神の霊を満たして、知恵と悟りと知識と諸種の工作に長ぜしめ、35:32工夫を凝らして金、銀、青銅の細工をさせ、35:33また宝石を切りはめ、木を彫刻するなど、諸種の工作をさせ、35:34また人を教えうる力を、彼の心に授けられた。彼とダンの部族に属するアヒサマクの子アホリアブとが、それである。35:35主は彼らに知恵の心を満たして、諸種の工作をさせられた。すなわち彫刻、浮き織および青糸、紫糸、緋糸、亜麻糸の縫取り、また機織など諸種の工作をさせ、工夫を凝らして巧みなわざをさせられた。


マタイ

第22章

22:23復活ということはないと主張していたサドカイ人たちが、その日、イエスのもとにきて質問した、22:24「先生、モーセはこう言っています、『もし、ある人が子がなくて死んだなら、その弟は兄の妻をめとって、兄のために子をもうけねばならない』。22:25さて、わたしたちのところに七人の兄弟がありました。長男は妻をめとったが死んでしまい、そして子がなかったので、その妻を弟に残しました。22:26次男も三男も、ついに七人とも同じことになりました。22:27最後に、その女も死にました。22:28すると復活の時には、この女は、七人のうちだれの妻なのでしょうか。みんながこの女を妻にしたのですが」。22:29イエスは答えて言われた、「あなたがたは聖書も神の力も知らないから、思い違いをしている。22:30復活の時には、彼らはめとったり、とついだりすることはない。彼らは天にいる御使のようなものである。22:31また、死人の復活については、神があなたがたに言われた言葉を読んだことがないのか。22:32『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』と書いてある。神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神である」。22:33群衆はこれを聞いて、イエスの教に驚いた。
22:34さて、パリサイ人たちは、イエスがサドカイ人たちを言いこめられたと聞いて、一緒に集まった。22:35そして彼らの中のひとりの律法学者が、イエスをためそうとして質問した、22:36「先生、律法の中で、どのいましめがいちばん大切なのですか」。22:37イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。22:38これがいちばん大切な、第一のいましめである。22:39第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。22:40これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている」。
22:41パリサイ人たちが集まっていたとき、イエスは彼らにお尋ねになった、22:42「あなたがたはキリストをどう思うか。だれの子なのか」。彼らは「ダビデの子です」と答えた。22:43イエスは言われた、「それではどうして、ダビデが御霊に感じてキリストを主と呼んでいるのか。22:44すなわち
『主はわが主に仰せになった、
あなたの敵をあなたの足もとに置くときまでは、
わたしの右に座していなさい』。
22:45このように、ダビデ自身がキリストを主と呼んでいるなら、キリストはどうしてダビデの子であろうか」。22:46イエスにひと言でも答えうる者は、なかったし、その日からもはや、進んでイエスに質問する者も、いなくなった。


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